New Single

トロイメライ

映画「コーヒーが冷めないうちに」主題歌

2018.9.19 Release

Produced by YUKI

収録曲

1. トロイメライ
作詞 : YUKI
作曲 : CHI-MEY
編曲 : YUKI、CHI-MEY
2. かたまり
作詞 : YUKI
作曲 : 津野米咲
編曲 : YUKI、津野米咲
ストリングスアレンジ : 堀向彦輝
初回仕様限定盤(紙ジャケット仕様)
ESCL-5105 / ¥1,200+税

購入者特典情報

「トロイメライ」
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『トロイメライ』ミュージックビデオ

REVIEW

ソロデビュー17年目に突入したYUKIが、自らプロデュースを手がけたシングル『トロイメライ』をリリースする。表題曲『トロイメライ』は、川口俊和の小説家デビュー作となった小説「コーヒーが冷めないうちに」と、シリーズの続編小説「この嘘がばれないうちに」を原作にした映画「コーヒーが冷めないうちに」の主題歌として書き下ろした楽曲。YUKIは原作小説を読み、映画を観て、主題歌『トロイメライ』を完成させた。

「この物語の舞台は、自分が戻りたいと思う“過去”に戻ることができる喫茶店です。過去に戻るにはいくつかのルールがあって、その中のひとつが、“自分が望んだ過去に戻り、会いたい人と再会できても、現実や未来は決して変わらない”というもの。あの時、相手はどんなことを思っていたのだろう。あの時の自分の行動は正しかったのか、そうではなかったのか。自分は何をすれば良かったのか。今になって知らなくてもいいことなのかもしれないのに、それでも登場人物たちが過去に戻ったのは、後悔しながら辛い思いをして生きてきた自分を赦してあげたい、そして、相手からも赦されたいからだと思いました」

YUKIは『トロイメライ』で、<何度でも 笑うのよ><何度でも 許されていいから>と歌っている。

「後悔をしない生き方に憧れていても、それでも人は何度も間違えてしまうものです。私も自分がしたことに対して、“あの時もっとこうすれば良かったな”と思うことがたくさんあって、間違えない人生なんてないからこそ、何度間違えても、そのたびに“あれはこういうことだったんだ”と自分なりに納得をして、赦して、人は強くなっていく。自分を赦すことも、相手を赦すことも、とても難しいことだと思うんです。でも、人は何度でもお互いを赦し合し、生かされていくんだと思いました」

映画の中でこの物語はどのようなエンディングを迎えるのか。主題歌はどこで流れるのか。私だったらどんな曲が流れてほしいだろう。どんな曲だったらこの映画を観る人たちにも寄り添えるだろう。そうやって物語や登場人物たちに思いを寄せていくうちに、「自分が歌いたい曲のイメージが明確にできていった」のだそうだ。

「原作を読み、映画を観たときに感じたことを忘れないようにして、登場人物たちがこれから歩んでいく人生に思いを巡らせていたら、悲しい歌ではないなと思いました。明るい曲だけど、グッとくるような歌にしたかった。私たちはこの映画の登場人物たちのように過去に戻ることはできないけれど、映画を観た人たちと、この映画の中にいる人たちが同じ方向を見て、前に進めるような曲にしたかったんです。そして、それぞれの人生を歩いている人たちが、それぞれの受け止め方ができる歌にしたいと思いました」

楽曲提供したのは、YUKIと初顔合わせとなる、CHI-MEY。これまで多くのアーティスト、CMやテレビ番組などに数多くの曲提供をしているシンガーソングライターだ。 「CHI-MEYくんにお会いして、アレンジや歌詞の方向性を伝えて、プリプロも一緒にやりました。ここのところの私は“隙間”がテーマなので、歌詞もメロディもアレンジもシンプルなものにしたくて。自分が思い描いていたイメージがどんどん形になっていく制作過程はとても楽しかったです」

カップリングには、赤い公園のギタリスト・津野米咲が曲提供をした『かたまり』が収録された。

「以前から私は赤い公園が好きだったので、赤い公園で作詞・作曲を手掛けている米咲ちゃんと一緒にやってみたいという私の思いから、この曲が生まれました。それまで米咲ちゃんとはお会いしたことがなかったので、最初は事務所を調べるところから始めました。米咲ちゃんと私の最初のやりとりは、「わたくし、歌手をやっております、YUKIと申します。今、電話をしてもいいですか?」というメールでした(笑)。彼女には曲を作ってもらうにあたって“YUKIが歌ったら面白いのではないかと米咲さんが思う曲”をお願いします、と伝えました。米咲ちゃんから届いた曲にすぐに歌詞を乗せることができたのは、やっぱり彼女のメロディがそうさせるんだなと思いました」

YUKIは自らプロデュースを手がけた今回のシングルで、会いたい人に会い、その人たちと同じ空間で音を鳴らした。『かたまり』は、津野米咲(Guitar)、金子ノブアキ(Drums)、日向秀和(Bass)、堀向彦輝(Piano & Keyboards)、真部裕ストリングス(Strings)によるバンド編成でレコーディングされている。

「今回のシングルはYUKIプロデュースとなっていますけど、今までも自分がやりたいと思ったこと、好きな音、鳴らしたい音を作って発表してきたので、そこは何も変わっていません。この曲はバンドで録りたいと、早い段階から自分の中に明確なイメージがあったので、米咲ちゃんにギターも弾いてもらおうと最初から決めていました。彼女のギターは彼女にしか弾くことができない音や楽しい癖があるので、この曲でもそれを鳴らしてほしいなと。米咲ちゃんと一緒にミュージシャンを決めていくこともとても楽しかったです。好きな人に好きと伝えることはとても大事なことだと、あらためて思いました。誰かとやることで、自分ひとりではできない音が生まれる瞬間に立ち会えるのが、最高に楽しかったです」

仮タイトルの段階から、この曲は『かたまり』と名付けられていたそうだ。

「米咲ちゃんから送られてきた曲に合わせて歌っていたら、“かたまりのまま 生きられたら”という言葉が出てきて。この“かたまり”って何の塊だろう?って(笑)。歌詞にも書きましたけど、<かたまりのまま 生きられたら 私は私のままでいられる>ということを言いたかったんだと思いました。私は自分がやりたいことを、自分の思いのままにやるんです。私ひとりでは実現できないことはたくさんあるけれど、どこまでできるのか、自分の可能性を信じてギリギリまでやってみようと思います。私が欲しいものはもう自分の中にあるので、自分の欲望に忠実でいいんです。私が私である限り、何をやってもいいし、誰とやってもいい。それを、私はもっともっとやっていきたいんだと思います。それがYUKIなんだ、という気持ちがギュッと固まった“かたまり”が私の中にある。その“かたまり”が、これからも私を突き動かしていくんだと思います」